6月28日 中日新聞 嘔吐反射とCAD(光学印象)

6月28日 中日新聞 嘔吐反射とCAD(光学印象)

中日新聞 教えてドクターQ&AQ.歯科でお口の型とりの時、幼少時から苦しく、過去何度も嘔吐したりして迷惑をかけています。
解決策はありますか?

(38歳 女性)

 

A.こうした状態を嘔吐反射といいます。口の中に侵入した異物を取り除こうとする人間が本来備える自然な防御反応の1つです。
解決策の多くは歯科治療を行う側に委ねられます。

医療者側でできること

①軟組織(特に軟口蓋)に極力触れない

②小さな器具を使う

③チェアーを起こした状態で治療をする

④上顎の奥(軟口蓋)に表面麻酔をする

⑤CAD(光学印象)を使う

 

患者さん側でできること

(1)鼻呼吸をする

(2)信頼できるドクターを選び、リラックスする

(3)嘔吐反射が強いことを初めから申告する

 

この中の⑤CADの利用ですが、今までの型取り(印象)は大量の粘土のようなものを直接お口の中に入れ込み固まるまで待つと言う原始的な方法でした。しかし近年CADが急速に進化し、お口の中の写真を撮るだけで型取りが可能となりました。

嘔吐反射の強い患者さんにとどまらず、すべての歯科治療を受ける人にとって大変な朗報だと思います。

 

ちょっとした工夫で嘔吐反射はその大半を防ぐことが可能です。CADでの型取りは間違いなく、近年最大の科学の知恵かと思います。

院長プロフィール

滝高校、公立九州歯科大学卒業。

京都大学医学部口腔外科入局。

口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として多くの外科手術を担当。福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。

現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。

 

 

前の投稿

2月22日 中日新聞 インプラントと再生医療

2月22日 中日新聞 インプラントと再生医療
9月22日 中日新聞 おしゃぶりについて
次の投稿

9月22日 中日新聞 おしゃぶりについて