2月22日 中日新聞 インプラントと再生医療

2月22日 中日新聞 インプラントと再生医療

中日新聞 教えてドクターQ&AQ.インプラント(自由診療)にする歯には適している部位と適さない部位があると聞きました。詳しく教えてください。

 

A.インプラントに適している部位と適さない部位というより、簡単に手術が可能な部位と極めて特殊技能を要する部位がある事は事実です。前歯などは比較的容易に行えます。上顎の奥歯の場合、上方の上顎洞という大きな空洞の為、多くの場合大掛かりな再生医療(土台となる骨を作る治療)を必要とします。

充分な骨が無いとインプラントが長持ちしない事は歴史(エビデンス)が証明しています。

こうした高度な手術を安全、正確に行えるドクターは全国でも限られています。ただ、正確な再生医療の技術を持つドクターにとって、大きな空洞はチャンスでもあります。この空洞に骨を再生することで、しっかりとした土台を作る事ができるのです。

インプラントの世界的権威スウェーデンのクリスターソン先生(通称インプラントの神様)が、この部位は再生医療さえきちんと出来れば極めて安定した成績(10年以上確実に保ち続けている)を残しているとおっしゃっていました。

材料となる骨も以前は大学病院に入院し、全身麻酔のもと、自家骨(自分の骨)を採取し利用していました。現在では個人医院での局所麻酔のもと、人工骨で可能なため、患者さんの肉体的金銭的負担が極端に小さくなり、再生医療を前提とすれば気軽な選択肢となりました。

院長プロフィール

滝高校、公立九州歯科大学卒業。

京都大学医学部口腔外科入局。

口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として多くの外科手術を担当。福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。

現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。

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