6月21日中日新聞 歯周病の最先端治療
Q 歯周病治療のために10年以上同じ歯医者に通っていますが、最近かなり進行していますと言われショックを受けています。何か良い治療法は無いのでしょうか?
(56歳女性)
A 日本の成人約8割が罹患しているとわれる「歯周病」は細菌による感染症です。放置しておくと歯が抜け落ちるだけでなく、心臓病や糖尿病等全身疾患の要因にもなることが解っています。一般的に歯周病は完治することが難しく、病状の改善維持を目的とした治療が行われているのが現状です。
20世紀末に歯周内科治療(お薬で歯周病を治す方法)が発見され、画期的に歯周病の進行を抑えることが可能となりました。
顕微鏡検査や細菌DNA検査を行い、歯周病の原因菌の種類や状態を細かく調べ、原因を除去するために内服薬を服用、同時に口腔内の清掃消毒を行うことで治療効果が高まり治療中に細菌が血液中に入るリスクを抑えられます。
お薬とお掃除のダブルパンチで菌を減らし、きちんと減っているかどうか最後にもう一度細菌DNA検査を行う科学的根拠に基づいた治療法です。
その後生涯にわたりメンテナンスを繰り返し、悪玉菌が増えないようにお口を守っていきます。
院長プロフィール
滝高校、公立九州歯科大学卒業。
京都大学医学部口腔外科入局。
口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として多くの外科手術を担当。福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。
現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。