9月24日 中日新聞 睡眠時無呼吸症候群と歯科治療
Q
軽度の睡眠時無呼吸症候群と診断されました。歯科で安全な治療があると聞きましたがどのようなものでしょうか?
68歳男性
A
睡眠に問題がある人は成人の70%を超えるというデータがあります。睡眠時無呼吸症候群(以降SAS)は寝ているときに筋肉が緩み下顎と舌の後退で気道が塞がれ呼吸が止まってしまう病気です。近年生活が便利になる一方肉体の退化が加速しSASも急増(300万人以上と推計、実際はもっとはるかに多いのではないかと類推)しています。
最新の治療法ではファンクショナルプレート(以降FP)(自費診療)と名づけられた取り外し装置を睡眠時のみ口腔内に装着し顎の生理的な動きを助けます。今までの装置は顎を固定半固定して後退しないよう保持しようとし、人が本来持っている機能を制限してしまうために廃用萎縮が伴いました。
FPは固定せず気道確保の運動をしやすくする補助装置であり廃用萎縮を起こさないことを第一に考えられています。
実際に私も自身で体験したのですが、睡眠が深くなり睡眠時間はむしろ短縮、寝起きに爽快感を伴うようになりました。
この治療の最も良い点は取り外し器具のため安価で調整、再製が利き、本人の体を傷つけず、可逆的治療法であることです。