6月17日 中日新聞 コロナと歯科受診

Q

歯科衛生士です。世の中コロナ一色で歯科受診や音楽芸術鑑賞など不要不急のように言われていますが、先生のお考えをお聞かせ願えますか。

(38歳女性)

A

鼻や口の粘膜は粘膜免疫と呼ばれる防御機能が備わっており、ウィルスは喉や気管の粘膜で増殖するため、これが感染防御の最初の関門であり非常に重要です。

ウィルスに感染する人としない人がいるのは全身免疫だけでなくこの粘膜免疫も関わっていると考えられます。

口の中には多くの細菌が存在し腸内細菌と同様上手に共存しています。この適切な細菌層のバランスにより病原体の感染を防いでいますが、口腔が不衛生になり細菌が増えると一部の細菌が産み出す物質で粘膜の防御機能を破壊してしまうことがわかっています。口呼吸による乾燥や喫煙も同様の破壊を伴います。

むし歯や歯周病を予防するだけではなく、ウィルス感染や肺炎といった全身的な感染症さらに脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病などを予防するためにも、口腔ケア(PMTC)と鼻呼吸は欠かせない必要緊急、全身健康の最上流に相当すると考えてください。

音楽芸術鑑賞は全身免疫を高める為、寧ろ非常に大切ですが、3密を避け自宅でバーチャル鑑賞(Google Arts&Cultureなど)がお勧めです。

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