3月25日 中日新聞 健康寿命とお口の状態
Q
私の母は85歳で、現在介護施設に入所しております。近頃お口の状態が健康寿命に影響すると聞きますが、入所中の母にもできることはありますか?
56歳男性
A
介護の有無、老若男女にかかわらずお口の状態が健康に及ぼす影響は共通です。
健康寿命に影響する重要順に
①酸素が十分に取れる環境(覚醒時も睡眠時も常時)
②お口の中の細菌量を減らす
③よく噛む
個別に説明いたします。
①心肺に適度な負担をかけるため、日中よく歩く。又良質な睡眠を取るには高さのあった入れ歯を入れるなどして睡眠時も鼻呼吸で十分な酸素を取り入れることです。いびきや無呼吸は寿命を短くします。
②理想を言えばDNAレベルでお口の中の細菌を特定し歯周内科(お薬による歯周病治療)で除菌して、入れ歯は朝晩消毒します。誤嚥時唾液中の細菌が少なければ肺炎の確率は減ります。毎週歯科衛生士の訪問を受けPMTCをすれば申し分ありません。
注釈)PMTC…プロによるお口の中の清掃
③よく噛む事で唾液分泌を促し虫歯・歯周病を予防し、脳への刺激による脳活動活性化を促進します。柔らかい食事に頼らず、あられなどの好物をおやつにするのも良いと思います。