9月26日 中日新聞 インプラントと歯周病

9月26日 中日新聞 教えてドクター

Q

歯周病で歯の3分の2を失い、入れ歯を作りましたが食べ物をよく噛(か)むことができず困っています。どういった治療法がよいのでしょう。(67歳女性)

A

現状では歯が揃っていた時期と比較して、入れ歯を用いても咬合カ(噛む力)は半分以下に落ちていると想像されます。欠損歯治療は以下の3択です。カッコ内は天然歯と比べた咬合力です。①入れ歯(約30%)②ブリッジ(約70%)③インプラント(同等)

現在残っている歯も歯周病で弱っているため、ブリッジは危険(土台に用いると早期に歯を失う可能性が大)といえます。結論としてしつかり噛むためにはインプラント(保険適用外)が理想ですが、最も大切なポイントは歯周病で歯を失った事実です。

歯周病の原因は細菌ですので、現状のままインプラントを入れても早期に抜け落ちる危険性は否めません。

DNAレベルで歯周病菌の数を調べ、正確な診断の上で歯周内科(お薬で歯周病菌を除菌する治療)で除菌して細菌数が安全圏であることを確認の上インプラント治療が望ましいと考えます。

いずれにしろ現状からの回復は、時間、お金、本人のモチベーションなどかなり大変なためしっかりした医者選びをお勧めします。

院長プロフィール

滝高校、公立九州歯科大学卒業。

京都大学医学部口腔外科入局。

口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として多くの外科手術を担当。福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。

現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。

前の投稿

6月25日 中日新聞 舌癌

6月25日 中日新聞 舌癌
12月24日 中日新聞 インプラントと再生医療
次の投稿

12月24日 中日新聞 インプラントと再生医療