12月23日 中日新聞 親知らずの痛み
Q 1週間前に左下の親知らずを抜きました。痛みが強いのでもらった鎮痛薬を飲んでいますが、薬の効果がきれるとまた痛みだします。こんなに長く痛みは続くものなのでしょうか。
A 親知らずを抜いた後の正常な治癒(治り方)は、出血した血液が凝固し血餅(血の塊)となり、これが抜歯創を保護する事で痛みを抑える役目をします。
様々な理由(後述)によりこの血餅が脱落してしまうと、骨面が直接口腔内に露出し、かなりの痛みが2週間ほど続くことになります。
専門用語でこの状態をドライソケットと呼びます。最終的には骨表面の上皮化(一皮張ること)で痛みが消失します。
専門医は視診と症状で比較的簡単にドライソケットの診断がつきますので、抜歯創洗浄と血餅がわりに創の保護材を入れ上皮化促進の為イソジン等を処方します。感染予防のため抗生剤と鎮痛剤も処方します。
原因は麻酔の使い適ぎ、うがいのしすぎ等様々ですが、私たち専門医でも時々起こるため日頃から対処法をドクター勉強会で周知徹底しています。
院長プロフィール
滝高校、公立九州歯科大学卒業。
京都大学医学部口腔外科入局。
口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として多くの外科手術を担当。福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。
現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。