6月23日 中日新聞 歯ぎしりと歯科治療
Q 「最近歯ぎしりをしている」と言われましたが、予防法はありますか?また、し続けるとどうなりますか?
A 20世紀終盤からアメリカを中心に脳科学やストレスの研究が急速に進み歯ぎしりに関してもいろいろなことがわかってきました。
大部分の原因は日中のストレスで、歯ぎしり自体は情動的反応であり、ストレス抑制効果が極めて強く、交感神経抑制剤と同等と言われています。
歯ぎしりは必要悪であり、完全禁止してしまうと脳にストレスが蓄積し、人体に多大な弊害をもたらします。
歯が折れたり割れたり抜けたり(夜間の歯ぎしりは食事咬合力の2~3倍の力がかかると言われています。)顎関節障害、頭痛等看過できない実害がある場合に治療の対象となります。完全には禁止させず、人体に有害なダメージがかからない程度に優しくカバーすることを目的とし、夜間のガード(ナイトガード「保険適用」)を目的とした治療をします。
ストレスは発散させますが、歯が壊れないようにいいとこ取りをするわけです。
治療サイドが十分に勉強している場合、(細菌による症状か力による症状を普段から根本的に考えている場合)口腔内のいろいろな場所に歯ぎしりによる力がかかっていることが視診、レントゲンでもかなりはっきり分かるため、慎重なドクター選びは欠かせません。
院長プロフィール
滝高校、公立九州歯科大学卒業。
京都大学医学部口腔外科入局。
口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として多くの外科手術を担当。福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。
現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。