歯槽膿漏といっていました
歯周病は以前は歯槽膿漏といっていました。そのものズバリ歯の周りを支えている槽(穴)から膿み(ウミ)が出る病気です。膿み(ウミ)というのは何故できるか考えてみましょう。位相差顕微鏡という特殊な顕微鏡で膿み(ウミ)をみてみますと、おびただしい数の白血球の死骸がみえます。
白血球というのは私たちの体をバイ菌などから守ってくれる免疫力(体を守る防衛隊)です。その死骸の中にはたくさんのバイ菌が食べられています。つまり、膿み(ウミ)というのはバイ菌とそのバイ菌をやっつけようと頑張った白血球の戦いのあとの姿なのです。
いろいろな種類の食べられないバイ菌
ところが、バイ菌の中にはこの白血球にほとんど食べられないバイ菌がいます。これらのバイ菌は白血球が動き回るスピードよりも遙かに早いスピードで動き回り、食べられないバイ菌もいますし、逆に白血球を食べるようなバイ菌もいます。さらには、白血球に食べられないような物質を出すようなバイ菌、また、食べようとしても食べることさえできなぐらい大きなバイ菌もいます。
そのようないろいろな種類の食べられないバイ菌がはびこると、歯の周りはいつも戦場のような状態になります。そうなると、戦場ではすべてが破壊しつくされるように、歯を取り囲む組織は破壊されてしまい、最後は歯が抜け落ちてしまいます。