1月24日中日新聞
Q.肩こり、頭痛、不眠症などの症状が歯のかみ合わせと関係があると聞いたのですが、本当ですか。
A.いずれも歯の噛み合わせが原因の全てではないことは当然ですが非常に深く関わっている事は周知の事実です。
それぞれ個別にお答えいたします。
【肩こり】
下顎を奥に動かした時奥歯が接触するとその噛み合わせが原因で不随意運動(本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きること)が起こり閉口筋の緊張を伴います。常に緊張状態が続くと顎関節、側頭筋、胸鎖乳突筋等に緊張が走り首や肩が凝ります。
【頭痛】
食いしばりや噛み合わせが悪いと咬筋、側頭筋が過剰に緊張します。筋肉の緊張が蓄積すると、目の奥に痛みが出たり頭痛に強く関係します。緊張型頭痛に似ており頭全体に圧迫感や締め付け感を伴います。
【不眠症】
口の中が狭い、口腔全体が後方に位置している、下顎が後方移動している、下顎が前に動きづらい等が不眠症に深く関わっています。不眠症には入眠障害と中途覚醒がありますが、噛み合わせは中途覚醒に関係しています。
<結論>
かみ合わせからみて肩こり頭痛は筋肉、不眠症は呼吸の問題です。
<対症療法>
風呂、マッサージ、針灸などで筋肉の緊張を和らげる。
<根治療法>
噛み合わせの調整および異常接触を緩和する取り外し可能な器具を使用する。
歯科医師 プロフィール
滝高校、公立九州歯科大学卒業。
京都大学医学部口腔外科入局。
口腔腫瘍・顔面外傷の口腔外科専門医として全国の国公立病院にて多くの外科手術を担当。
福井県立病院口腔外科医長を経て各務原市で口腔外科クリニックを開業。
現在は、DNA検査を用いた歯周病治療や、人工骨を用いた再生医療インプラントに多くの実績を持つ。